週刊少年ジャンプ(2019年47号)感想

引用:週刊少年ジャンプ2019年47号

ジャンプ感想 47号

チェンソーマン

カラーの使い方があざと過ぎて笑ってしまった。そこに天使君を入れるあざとさはさすがと言うしかない。

今回でレゼの正体がおぼろげながら明らかに。どうやらロシア(ソ連)の関係者のようだ。たぶん、諜報員の類だろう。コマンドサンボっぽい格闘術を使っているところを見ると人間だろうか。わざわざ悪魔が格闘技を習うとは思えないし(格闘技の悪魔とかではない限り)悪魔に「レゼ様」と呼ばれているのは、確かソ連は悪魔を兵器として使っているのと関係があるのかな。となると政府の関係者なんだろう。

こうなるとどう転んでもデンジ君には辛いことになりそうだ。デンジを誘う言葉は上っ面の誘惑か、それとも本心も入っているのか。どちらにしても、まともな別れ方は出来ないだろうな。

ONE PIECE

敵役が有能であると緊迫感があるね。反乱軍の合流ポイントを理解しているならそれを断ち切るのは当然の事。これは決行直前まで戦力を合流出来なかった隙を突かれてしまった形だ。万全を期するために隠密性を重視した結果が最悪の結果に。おこぼれ町が焼かれた、と重要な情報をさらっと描いてしまうのも恐ろしさが真に迫る。情報戦で完全に遅れを取ってしまったルフィたちに逆転の手はあるのか。そして、ここで光月おでんの回想に入るとはどういうことなのか?絶妙に読者を焦らしてくるな。続きが気になる。

Dr.STONE

三つ巴に形になっているけれど、現状ではモズが自信を持ち過ぎているのが勢力争い的にはマイナスポイント。彼の実力ならドローンを使わせる間もなく倒せるのは確かでも、千空側には銃があるからな。相手を侮り、そう言う想像を出来ていない時点で、彼はすでに敗北している。一方で、イバラにはかなり驚かされた。まさか無線機に気がつくとは……。技術を知らないにしては驚く程の柔軟性だ。すでに対策をしているようで、モズの動きはおそらく封じられるだろう。こうなると千空たちはどのように対応出来るだろう?無線機が奪われていることを考慮している可能性は……あるかな?イバラの思考を誘導させているかも。未だに姿が見えないメンバーがいるので、別働隊が動いているのだろうか。

約束のネバーランド

邪血は飲ませるだけで効果があるのか。王都の住人すべてに行き渡るほどあるならすべては丸く収まるだろう。こんな簡単に解決していいのか疑問は残るけれど。

女王の核を潰すバトル漫画の展開に。おそらくラストバトルになると思うので、納得のいく描写を期待したい。

ブラック・クローバー

アスタたちはハート王国に無事潜入を果たした。しかし、出迎えた精霊守のカジャによってアスタは拐われ、ノエルたちも危機に陥ってしまう……。

思ったより展開が早くて驚く。まさかいきなり誘拐されるとは、クローバー王国に対して見せかけだけの体裁も取るつもりはないということか。ならば、そこまで性急な理由が気になるところ。カジャや女王の言葉の端々からは、王国のためにアスタの悪魔が必要になるというニュアンスだった。それほどまでにハート王国に危機的状況なのか。問題なのは、ハート王国にとって悪魔がどのような存在なのか。犠牲にするのか、利用するのか。いまのところ交渉の余地がありそうな雰囲気がある。

アクタージュ

まさか王賀美さんが景に挑む展開になるとは。先週も同じことを考えたけど、それでも新鮮な驚きだね。今まで強者であった王賀美さんが必死に景に食らいつく。全力で芝居をする喜びと、ここに至るまでの後悔が重ね合わされる。王賀美の後悔とは「日本を逃げ出したこと」だろう。事実がどうであったかはわからないけれど、彼に日本は狭過ぎたことも事実。しかし、大賀美自身は、自分が逃げ出したと思っている……と言うかそのことを気付きつつあるみたい。しかし、そのことを意識しないようにしている……ただ“王賀美陸”を演じるために。本当の彼はきっと繊細で満たされない想いを抱えた一人の男にすぎないのではないか。アラヤの言う通り、今のままでは勝ち目がない。景に匹敵する存在感を身に付けるために、おそらく彼は自分自身と出会わなくてはならないのだろうね。

鬼滅の刃

若い者から死んでゆく。あまりにもやるせ無いねえ……いや、リアルと言えばリアルなんだけどさ……本当に容赦のない漫画だよ。

だれよりも才に溢れていた無一郎。彼は若くして“透明な世界”に開眼し、さらには郝刀にも自力で目覚めた。炭治郎は爆血のブーストによって見出したことを考えれば、その業は偉業と言って良いよね。あと数年あれば、もしかしたら岩柱さえも超えた最強の柱になっていたかもしれない。しかし、それもすべて終わってしまった。

才能に恵まれず、呼吸も使えず、それでも鬼喰いをしてまで戦い続けてきた玄弥。そのすべては兄の助けになりたいという一心だった。一度見捨ててしまった兄ともう一度繋ぎ直すため、かつての誓いを果たすため彼は戦った。その想い、絶望的な苦しみ、そのすべても終わった。彼はもう苦しまないが、幸福であって欲しいという願いも灰に消えた。

経験が少なく、実力が足りない若者から死んでいく。それを引き起こした無残に対する怒りは読者としても頂点ですよ。あいつは絶対に倒さなくてはならない、という使命感に読者も共感させるえげつなくも優れた描写だと思います……はあ……。

僕のヒーローアカデミア

ショート君、さすがに事務所でそういうことを言うと、お父さんの立場がなさすぎるのでもうちょっと勘弁してあげて欲しい。しかし、公私の区別ははっきりさせておかないと良くないのも事実。難しいな。

SPY×FAMILY

うまく言えないけど、すごく高度なことをやっていると思う。殺し屋の母が仕事でミスをしたことから疑似家族に動揺が走り、それを取り繕うために子供が奔走する。こう書くと哀しい話のように思えるし、実際哀しい話ではあるのだが(子供自身が今の現状の不安定さを知っているのだ)、それでいながら描かれているのはスラップスティックでコミカルな日常だ。描写をちょっと間違えればシリアスな背景が噴出しかねないことが(例えば、母は殺し屋であり、しかも、疑問の余地なく大量殺戮者そのものである)、物語に独特の緊張感を与えている。例えば、連載を読んでいる人は、この夫婦がいつか殺し合いをすることになるであろうことに戦々恐々としていないだろうか?ただのコメディならばそんな心配はする必要はないだろう。しかし、この作品は、いつかそうした未来が起こり得ることを否定出来ない。そうしたシビアさが、散りばめられているのが、この作品を特筆したものにしていると感じます。

ミタマセキュ霊ティ

ハゼレナの能力のおかげで霊が友好的になっているだけのような気がしてきた。実際の霊は危険でハードな存在だけど、ハゼレナの周囲ではギャグになる。そういう能力者なだけなのではないか。2本目まで読むと、彼女の目の届かないところには悪意が存在していてもおかしくない。まあ、来週になったらギャグに戻っているんだろうな、とは思うけど。

ぼくたちは勉強ができない

過去のキャラクターが出てくると、まさに物語の決算という雰囲気が出てくる。それが別れの予感を掻き立てる描写がいいですね。

呪術廻戦

究極メカ丸、燃費が悪いな。武装を一回使うだけで一年以上の呪力を使うのでは、あと10回も武器を使えそうもない。しかも、その武器も決定打にならないのでは勝ち目がないよね。奥の手も効く気がしないし、これは生存は難しいだろうな。

ただ、操縦席を頭部というのはブラフ(?)ではないかと。たぶん、その隙を突かれて(真人は)攻撃自体は喰らいそうではある。

夜桜さんちの大作戦

この刑事さん、ちょっとバイオレンス過ぎないでしょうか。危険な刑事を演出したかったのかもしれないけど、これは危険の種類が違いすぎる。こんなのを首にしていない警察機構はどうなっているんだ。そして、演技かもしれないけど、尋問が雑過ぎて有能感があまり感じられないのもマイナス。狂言だから、という免罪符で誤魔化すのにも限度があると思うな。

サムライ8

岸本先生はキャラクターを立てるのに、登場人物に褒めちぎらせる以外の方法を知らないのだろうか。ハチマル自身が積極的にやっていることって、元気よく挨拶しているだけだぞ。挨拶するだけで勝手に評価が上がっていくとか、いいご身分だなオイ。チートでも使ってんのか?

ゆらぎ荘の幽奈さん

いたずらしているのに誰も不幸になっていない。なんという優しい世界なんだ……。これは他人の嫌がることをしない夢咲先生の人格の賜物だな。優しい人がやることはいたずらだって優しいんだよな。

トーキョー忍スクワッド

「ああなった仁さんはもう……」とか強い絆で結ばれた仲間発言をするエンに違和感を禁じ得ない……。君、そこまで仁と親しくなってないだろう。脚本の都合を強く感じるな。あと、記憶術を使って次のページで「もう体力が……」と言っているのはギャグかと思った。早すぎるだろう。

神緒ゆいは髪を結い

なんとなく鏡を覗いてみたら目があった、と書くとホラーっぽいけど、ちょっとマヌケな状況だ。電車の中の様子を鏡を通して見ていた卑弥呼(仮)がたまたま対面してしまったのでは……。ひょっとしてこの暫定ラスボスはドジっ子なのでは?今のままだと白ゆいが活躍できる余地がないと思っていたけど、もしかしてゆいがラスボスと対話していく展開になるのだろうか?それは面白くなりそうな気もするな。

ビーストチルドレン

ちょっと絵に気合が入っていない気がするな……作者になにかあったのだろうか。そのせいか、登場人物たちの棒立ち感が強くなってきた。きっと厳しい状況なんだろうけど、最後まで頑張って欲しいな。

相手がいるから楽しい、とは一つの事実ではある。その是非はともかく、作者が伝えたいことがはっきりしていると読んでいて安心感が違うね。説教くさくならない範囲であればどんどんやって欲しい。

ふたりの太星

堂々家の“運命”とは決して運命そのものではなく、ただの人の営みであった……と言うのは良い終わり方だったと思う。ただの縁起担ぎがあまりにも上手く行った結果、どうにもならないしがらみになってしまうと言うのは良くあることだ。意味がないとわかっていてもついやってしまう癖のようなもので、長く続けはそれは呪いになる。しかし、巡はライバルたちとの戦いの中で、その呪いに立ち向かう勇気を得て、“運命”を破った。美しい展開だなあ。

最後のオチの破壊力はすごい。そして、天童世代の全員が頭を抱える結果になる対局が待っているだって?これはワクワクするしかないじゃない。やっぱり自分、この漫画好きだわ。

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