週刊少年ジャンプ(2019年36・37合併号)感想

引用:週刊少年ジャンプ2019年36・37合併号より

ONE PIECE

着々と準備が整っていく過程が描かれていく一方で、鬼ヶ島では怪獣大戦争が始まりつつあるカオス。各陣営の思惑が複雑に絡み、今回は不確定要素としてトラファルガー・ロー一味が加わった。ええ、この時点でさらにイレギュラーが追加されるの……?今さら言うことでもないがとんでもねえ漫画だな……。およそ週刊漫画の作り方がじゃないぜ……。

鬼滅の刃

巨漢のパワータイプが素早く動ければそりゃ最強だ、と言うことをまざまざと見せつけてくれた悲鳴嶹さん。巨漢キャラって大抵噛ませにされてしまうことが多いので、最強と言われていたキャラが最強にふさわしい戦いをしてくれることにすごく嬉しいですね。まだ敵の刀を折っただけだけど……。黒死峯殿はほんとにやばいぐらいに強いなあ……。

黒死峯殿はまだまだ余裕があるようだ。悲鳴嶹さんの強さに感動しつつ、その攻撃をすべて凌ぎきっている。今までが風柱までの戦いが大人と子供の戦いだとしたら、岩柱は高校生くらいだろうか。油断は出来ないけれども負ける相手ではない、ぐらい。痣の力でプロ対大学生ぐらいに追い縋れるかな。そこまでいけば勝負がわからなくなる……かもしれない。

約束のネバーランド

エマたちの「デッドラインはノーマンが王、貴族を殺し尽くすまで」と言う言葉は、ノーマンが鬼を殺し尽くすことを前提になっている。つまり、これは彼が失敗することなど想像さえしていないということだ。彼が計画したのならば、それは必ず成し遂げるだろうと言う信頼がそこにはある。しかし、今回、ノーマンの身体に不安要素があることがわかった。血を吐いた様子から、余命幾ばくもないのではないか。つまり、そこには焦りがあり、万全の態勢を整えられていない可能性がある。おそらく、この不安要素が、すべての歯車を狂わせていくことになるのではないだろうか。

Dr.STONE

千空と龍水がメインで動くと話が早くて大変助かりますね。いちいち状況説明パートをつくる必要がないのでテンポが異常に良くなる。キャラクターによって物語の動き方ってこんな風に変わるんだな。参考になります。

たぶん、龍水がいるから、次回からはしばらくサクサク進んでいくのではないかと予想します。今までがサクサクではないと言うわけではないけど、それ以上になるんじゃないか。

ブラッククローバー

魔法帝の言う「自分の時間と魔力を蓄えていた」と言うことは、1日に少しずつ魔力を貯金していたということなんだろうけど、時間はどういうことなんだろうな。蓄えたということは加齢がそのぶんゆっくりになっていたのか、それともその分加齢が進んでいたのか。たぶん後者かな。イメージとしては1日24時間として、1時間分貯蓄すると、25時間分の時間が過ぎたのと同等になる、みたいな感じだろうか。

クローバー王国の命運とアスタの命が密接に関わっているというのはどういうことだろう。例えば、王国が滅ぼされる可能性は現状エルフによる内乱(みたいなもの)で防衛力が激減していると考えれば不思議ではない。そして、アスタの命がそれと代替出来るということだろうか。アスタを生贄に悪魔の力で他国を滅ぼせる力を使える、というのがありそうな話な気がする。

Fけん

2頁目の素晴らしい見開きオチに感動すら覚える。さすが連載作家、貫禄が違うなあ。

ヒロイン(名前出てないよね)が剣道部に肩入れする理由が弱く感じてしまうのがちょっともったいなかったかな。ページ数の問題で仕方がないんだろうけど。つまり、自分の能力にうんざりしていた彼女がそれを誰かの役に立てたくなったということなのだろう。ただし、彼女は他人を操る魔性の女なのでああいうやり方になってしまう。ちょっと人格と動機が複雑なので、これを説得力を持って描こうとすると大変なのだろうな。

ハイキュー!!

烏野が力を発揮すればするほどに、崩れない鴎台の凄みが引き出される。覚醒した東峰や日向たちにも即座に対応して解決策を見出す。突破されてもすぐにフォローして立て直す。隅々まで意識が通っているような繊細さと勝機を見逃さない大胆な行動力。乗り越えたと思った端からさらに次の壁がそびえているような印象さえ受ける。しかし、それは烏野の方も同じだろう。これで終わりだと思ったところからさらに食い付いて離れない。鴎台がモアベターの手段を取り続けてなお決まらない。堅牢な鴎台と不死身の烏野。どちらも譲らぬ戦いが続く。

呪術迴戦

もしかしたら作者は本当に天才なのではないかと思った。黒井さんの誘拐過程を大胆なカット。そのあとの沖縄での天内の心象風景。どれも下手をすれば独り善がりな描写になりかねないところを読んでいてすんなりと読める。単に奇をてらったわけではなく、必要な描写をセンスで組み合わせた感じだ。

敵の策の話をすると、要するに今までの襲撃はすべて囮であり、五条が術式を解くのを待っていたということだろう。個人的には黒井さんの誘拐が怪しいと思う。高専結界の中に入り込めたカラクリはそのあたりにあるのではないか。

ぼくたちは勉強ができない

成行くんの本命は先生のような気がする。先生を前にしている時と他のヒロインと接している時の態度が明らかに違う(ような気がする)。女性として意識している度合いが高いようにと思う(その一方でなんでもいうことを聞きます券などを発行している鈍感さは解せないが……)。

僕のヒーローアカデミア

リ・デストロはどうやら仲間になりそうだ。なぜなら、個性を解放しそして自分自身も解放する。あらゆるしがらみから解き放たれる。それがリ・デストロの言う個性の解放だとすれば、その体現者が今の死柄木そのものだからだ。つまり、予言者が救世主に出会ったようなものだろうな。ただ、生きて仲間になるかどうかはわからないね。死んで、その地盤を受け継ぐ形かもしれない。

チェンソーマン

アキ君への忠告「特異課にはまともな奴はいない」とは、一見したところ当たり前のことを言っているだけのような気がする。しかし、これはたぶんマキマさんが危ない、と言うことを言っているのではないか。やんわりと今回の事件の裏にマキマがいると言うことを伝えている、というのは穿ち過ぎだろうか。

マキマさんのパート。身勝手な論理をがなりたてるクズに対しては徹底的な態度を取るマキマさん。おそらく彼女の言う「必要悪」というのは彼女自身のことを指しているのだろう。だとすると、逆説的にマキマさん自身は人間と社会を維持するために行動していると判断して良さそうだ。同時に、彼女自身は国家に束縛されているとも取れる。それは彼女自身で嵌めた枷なのか、それとも……。彼女の動向がチェンソーマンにおける最大の焦点であることは間違いだろう。

沢渡が銃の悪魔の使いであることが明言された。2万円で銃と弾を売るとはずいぶん安いなと思うけれど、しかし、銃が普及すればするほど銃の悪魔の力が増すことを考えればタダでも良いぐらいなものか。ただ、2万円に設定した理由はいささか気になる。悪魔が金が必要なのか。あるいは必要になる“生活”をしているということだろうか。

アクタージュ

今回のエピソードが終わったら千代子ちゃんのファンに対する態度が変わって「天使が天狗になった」とか言われてバッシングされるようになるんでしょうか。一般論だけど、外野は勝手なことを言うもものなのはわかっているが、もうちょっと相手を理解する姿勢が欲しいところだ。

千代子は天才ではない。自分の内面を虚構から生み出すことは出来ない。だから、本物の感情を育てて内面を構築する。それは正しいやり方だろうけど、つまりこれは他人を恨み、妬み、憎む地獄に自らを突き落とすということ。こんなことをして人間が変化しないわけがない。千代子は本当に自らを粉々に砕くつもりのようだ。そして、それを止めるどころか手助けをしようとする黒川は、今回は本物の悪魔のようだった。千代子を勝たせてやりたいという気持ちは本当のようだけど、そのためならば役者を苦悩の渦に叩き込むことを選ぶ。アリサが映画監督を嫌う理由もわかるというものだ。しかし、なにが幸せなど結局は本人にしかわからないもの。千代子にとって夜凪に勝つために苦しみもがく自分でいることことが、彼女自身でいるための唯一の方法なのだ。

ゆらぎ荘の幽奈さん

コガラシさんのラッキースケベは運命で定められているんですね。Tolaveるを思い出せる無理矢理なエロシーンは潔くて嫌いではないです。特にラストシーンからは狂気しか感じない。そして狂気的なほど面白い。

最後の西遊記

いろいろ言いたいことはあるけど、ちゃんとキャラクターそれぞれに意味があることがわかったのでこれでいいんじゃないかと思う。

サムライ8

アタは敵なんだけど八丸を認めるところは認めるし師に対する礼儀は弁えているし、なかなか好感度の高い敵役だ。やたらと説明セリフが多すぎるのが気になるけれども、これは作風の問題なので仕方がないのかな。

八丸の戦い方がいかにもゲームオタクっぽい発想なのに関心した。ジェット噴射で剣速を加速させるとか男のコだよ。

神緒ゆいは髪を結い

最近、この作品はわりと面白くなってきた。キャラクターが動いてきていると思う。

先週までで白ゆいと鍵斗の関係が面白いところに落ち着いた。ほのかに恋愛感情を持ちつつ、鍵斗のボケにツッコミを入れる常識人みたいな立ち位置。それでいて、白ゆい自身がズレているので二重にボケることもあるというラブコメ的にとても面白く、どうとでも動かせるキャラクターになった。

黒ゆいと鍵斗の関係はまだよくわからない。どちらも恋愛的な感情は持っていないようだけど、その分、相棒のような熱い友情が育まれたりする可能性がある。それとも恋愛的に三角関係になるのだろうか。たぶん、今回は黒ゆいとの関係性を確立するつもりなだろうし、期待したい。

トーキョー忍スクワッド

窮地に陥った時に人間が理性的に振る舞えるわけではないのはわかるけれど、マキは自分の行動で社長が殺されるかもしれないという想像をしていた方が良かったのではないか。ちょっと考えなしの行動に見えてしまうな。

ふたりの太星

飛車をいきなり失って勝つっていうのをちゃんと描けるのだろうか。そこが気になるところ。

「わたしは誰よりも重い分銅!」という不思議な言語センスは悪くない。むしろ良い。クセになりそうだ。

ビーストチルドレン

主人公の造形がジャンプ漫画的すぎてどうも既視感を覚えてしまう。アスタ君と印象が似ているし、ハイキュー!!の翔陽もちょっと入っているかな。そして、その印象から抜けられていないように思える。他のキャラクターの描写に入る前に主人公をもう少し魅力的に感じられていたらそれだけで面白くなるんだけれども。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA